9月14日、福岡市内の私立高校2年の女子生徒(当時16歳)が今年5月に「同級生から無視された」などと訴える遺書を残して自殺したにもかかわらず、学校がいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定せず、福岡県にも報告していなかったことがわかりました。
自殺した女子生徒が通っていたのはどこの高校なのか、おってみました。
福岡市高2女子いじめ自殺の母親が記者会見【追記】
9月22日福岡市の私立高校2年の女子生徒がいじめを訴えて自殺した問題。学校も県も放置していたことがわかった流れで母親が記者会見を開きました。涙ながらに語られたことは次のようなことです。(FBS福岡放送)
- 娘が自死することに気付けなかったことが申し訳なく悔やまれる
- 『本当にごめんね』『つらかったね』って謝りたい気持ちで、毎日『ごめんね』って、言い続けている
- 『友達から無視されて精神的につらかった』と遺した娘がなぜ無視をされてつらかったのか、どのような高校生活を送っていたのか、本当のことを知りたい。それだけで学校側へ調査を依頼した。
- 「いじめはなかった」と結論づけられたことに、死んだ娘のことは無視されて故人への尊厳について考えられていない。
- 学校側の報告書提出について「失念していた」との電話だけでの説明。信用できない。
また、別のメディアでは学校側から言われた言葉が取り上げられています。
「いじめはなかったとはっきり言われました。いじめ調査をやっていない状況での結論に納得できませんでした。『調査しても結果は同じです。お母さんのうっぷんやモヤモヤを晴らしたいだけでしょ。大人の対応をして欲しい。全力で阻止します』と強い口調で言われました」
テレビ西日本
母親は不信感を募らせながらも再調査を求めています。
県が第三者によるいじめ調査を実施することになりますが、母親は「公平に見ていただける方に対応をお願いしたい」としています。
第三者委員会を設置を決定
学校の運営法人が9月25日、遺族の希望や県からの助言をもとに第三者委員会を設置することを決めました。
第三者委員会では、改めて、いじめの有無や自殺との因果関係を調べる方針といい、第三者委員会の人選などはこれからで、28日に行われる運営法人の理事会で第三者委員会の運営事務局設置が決まり次第、外部の弁護士や有識者に依頼することにしています。
学校の担当者は「第三者委員会を設置することで何があったのか真実を明らかにしていきたい」と話したといいます。(FBS福岡放送)
この報道に対してはこのような声があります。
女子生徒が自殺した5月から約5か月経ってのこの対応です。当然の反応といえるでしょう。
福岡市高2女子いじめ自殺の学校は「九州産業大学付属九州高等学校」
福岡高2女子生徒が通っていた学校は福岡市内の私立高校と報じられています。福岡県私学協会のホームページの学校検索欄で福岡地区の「全日制」「共学」「女子高」「福岡地区」のカテゴリで検索をかけました。
福岡地区の私立高校は26件ヒット。そのうち福岡市内ではない周辺域の高校が6校ありますので、福岡市内に所在する学校は20校ということになります。
一覧にすると以下の20校になります。この中の1校ということになります。
- 福岡工業大学附属城東高校 (福岡市東区和白東3-30-1)
- 九州産業大学付属九州高校 (福岡市東区香椎駅東2丁目22番1号)
- 福岡舞鶴高校 (福岡市西区徳永1110-2)
- 立花高校 (福岡市東区和白丘2-24-43)
- 博多高校 (福岡市東区水谷1-21-1)
- 西南学院高校 (福岡市早良区百道浜1-1-1)
- 精華女子高校 (福岡市博多区住吉4-19-1)
- 博多女子高校 (福岡市東区馬出1-14-18)
- 沖学園高校 (福岡市博多区竹下2-1-33)
- 福岡大学附属若葉高校 (福岡市中央区荒戸3-4-62)
- 福岡雙葉高校 (福岡市中央区御所谷7-1)
- 福岡大学附属大濠高校 (福岡市中央区六本松1-12-1)
- 筑紫女学園高校 (福岡市中央区警固2-8-1)
- 上智福岡高校 (福岡市中央区輝国1-10-10)
- 中村学園女子高校 (福岡市城南区鳥飼7-10-38)
- 福岡女学院高校 (福岡市南区曰佐3-42-1)
- 第一薬科大学付属学校 (福岡市南区玉川町22-1)
- 福岡第一高校 (福岡市南区玉川町22-1)
- 福岡海星女子学院高校 (福岡市南区老司5-29-3)
- 純真高等学校 (福岡市南区筑紫丘1-1-1)
次の画像がテレビニュースで報じられている学校の外観画像です。(FBS福岡放送)特徴のある窓です。
検索でヒットした学校にはそれぞれ地図やWEBサイトに通じるプッシュボタンがついていますので、上の画像を頼りに1校ずつ丹念に見ていったところ、同じ外観の校舎画像に行き着きました。「九州産業大学付属九州高等学校」です。
ホームページの冒頭に出てくる動画の切り取りのアップが次の画像ですが、報じられているニュース画像と全く同じ窓の造りです。ほかの高校には同じような外観の学校はありませんでしたので、ほぼ間違いないですね。
匿名掲示板の2ちゃんねるでも以下のように教えてくれています。
福岡市高2女子いじめ自殺の学校は「生徒を大切にする学校」?
福岡市東区香椎駅東にある「九州産業大学付属九州高等学校」がどんな学校なのか.。
九産大九州高校(略称)は偏差値が47-66で、福岡県内の高校453校のうち31番目の学校です。
所在地の地図です。福岡の中心地「天神」から地下鉄と西鉄電車を乗り継ぎ20分。博多駅からはJRを利用し10分と交通の便がいいところにあります。
ホームページには、「九高の特色」として次のような言葉がスローガンとともに掲げられています。
建学の精神”卓然自立”を柱にし、「生徒を大切にする学校」になることをスローガンとして、さまざまな取り組みをしています。九高独自の挑戦は、やがて本校の伝統となり、生徒の未来への糧になるはずです。
「卓然自立」とは、際立って自立していることです。 真に自立した人間を育成します。 幕末の志士吉田松陰の言葉に「卓然として自立し、俗流を顧みず、ただ古の大丈夫をもって師となし、毀誉利害、毫ももって我心を動かすに足らず」という一節があります。
福岡市高2女子いじめ自殺は県へ報告されていなかった「失念していた」
- 今年5月
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福岡市内の私立高校に通う2年生の女子生徒(16)が「無視をされてつらかった」という内容の遺書を残して自殺しました。そのことに対し、保護者が学校に「いじめがなかったか調査をして欲しい」と要望。
- その後
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学校はいじめ対策防止委員会を設置し、全校生徒へのアンケートや教職員や1年と2年で同じクラスだった生徒にカウンセリングを行うなどしました。
この際女子生徒が遺書でいじめ被害を訴えていたことを伝えておらず、アンケートも学校生活に関する内容だったことがわかりました。(西日本新聞)
- 6月20日
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福岡県が外部からの情報提供を受け学校側に報告を求めていました(9月22日付け西日本新聞)
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「外部からの情報提供」は女子高生が自殺した翌日に警察から行われていたことがわかりました。報告書を求めたのは約1か月後だったことになります。(テレビ西日本)
6月22日-
校長が委員長を務める校内組織「いじめ防止委員会」が「いじめはなかった」と結論づけ、いじめが原因で自殺が疑われる場合などに必要な「重大事態」への認定はしていませんでした。
また生徒のカウンセリングにあたった学校側の臨床心理士が、遺族に対し、「いじめを認定しても加害者に良いことはほとんどない、生きている生徒を守りたい」などと発言していたことも新たに分かりました。(TNCテレビ西日本)
- 6月28日
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遺族に面会し、「これ以上調査できない」と説明
本来ならば私立高校で生徒の自殺が発生した場合は所管する県に報告する義務があるがこれを怠っていたことがわかりました。この点について学校側は「失念していた。本校のミス」と説明しています。
9月14日本ニュースが報じられてから福岡県の服部知事は「早急に適切な対応をとるよう求めたい、厳しく指導する」と取材陣に答えています。
ところが福岡県の担当部署は学校側に6月20日に報告書提出を求めながらも、その後報告書の催促や調査の進捗を確認するなどしていなかったことがわかりました。約3か月放置されていたことになります。福岡県の指導監督の甘さが指摘されています。
「報告書の督促はできたと思うが調査が十分に進むのを待っていた」と回答。
さらに、当該部署である福岡県私学振興課は「警察から連絡を受けた担当者から報告がなかった。責任者である課長も9月に報道されるまで女子生徒が自殺した事実を知らなかった。情報共有がされておらず深く反省している」などと説明。
9月15日になって学校側は一転し「重大事態」に認定。福岡県に報告し第三者によるいじめ調査をすると表明しました。また校長は取材に「いじめの疑いがあると捉えた方が良かった」と今さらながら発言しています。
学校と福岡県の不誠実な対応が明るみになったという格好です。
福岡市高2女子いじめ自殺の原因となった「無視」とは?
福岡市高2女子が残した遺書に「無視されてつらかった」と書いてありました。いったいどのようないじめにあっていたのでしょうか。
今回のいじめの内容については、匿名掲示板やTwitter(X)や大々的に報じている地元の「西日本新聞」でも報じられていません。だからこそ母親は「何があったのか知りたい」ということで学校側に調査を依頼したのでしょう。
「無視」はいじめか?
「無視」とはどんないじめなのか。「Yahoo!知恵袋」でこんなやり取りがありました。
1対1であれば喧嘩か相手にしなければすむ話でも、複数人、集団で1人を「無視」するのは、受ける側の精神的なダメージは大きいといえるのかもしれません。存在を無き者のように振る舞われるというのはかなり堪えるのではないでしょうか。以下のXでも指摘されています。
「無視」は証拠が残らない、静かに相手を追い詰める精神攻撃です。無視がいじめではないと学校が言うなら、教師は授業中に全生徒から無視されても何も言わないんでしょうね。試しに質問されても無視、話しかけられても無視、存在そのものを無視、ここまでやれば被害者のツラさが伝わるかな。
また、今回の事件を受けて、匿名掲示板の「2ちゃんねる」や「爆サイ」でも次のような投稿があります。
無視以外のいじめもあったのかどうか、今後真実が出てくるのでしょうか。ただ遺書に書くほどですので、「無視」が大きな要因で自殺をを選んだということは間違いない事実でしょう。
また新しい情報が入り次第追記していきます。
女子高生がいじめによって自殺した過去の事案
過去女子高生がいじめによって自殺した事案を「BingAI」で検索をしたところ、裁判や調査でいじめと自殺との因果関係が認められたものとして、ヒットしたものの1部を紹介します。
これらをみるだけで、なかなか無くならないいじめによる自殺です。打つ手はないのでしょうか。
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